食物アレルギー

食物アレルギーについて

食物アレルギーとは?

食物アレルギーは、アレルゲンとなる食物を食べて、蕁麻疹、口腔の違和感、咳、呼吸困難、嘔吐などの症状を呈し、ときには血圧低下からショック(アナフィラキシーショック)まで起こすことのあるアレルギー疾患です。多くは直後から2時間以内に症状が出現しますが、中には数時間から1日後に遅れて症状がみられることがあります。

頻度は?

欧米では乳幼児の8%、学童の6%、成人の2%にみられており、日本でも同程度に増加しています。厚生労働省研究班での調査では、救急外来を受診した例の90%は乳幼児中心の小児ですが、成人も10%を占めています。

どのような症状がでる?

誘発症状中、8割以上は皮膚症状(蕁麻疹、発赤など)で、ついで2-3割が呼吸器(咳、喘鳴、呼吸困難)および消化器症状で、1割に全身症状(ショックなど)がみられています。米国においては、年間100例以上の食物アナフィラキシーによる死亡が報告されています。

食物アナフィラキシーが起こった場合の対応は?

食物アレルギーの症状では5段階の症状分類があり、皮膚に限局した蕁麻疹などは1度、呼吸器症状が加わった3度以上ではショックに発展することもあり、医療機関受診が必要です。受診が間に合わない場合もあり、アナフィラキシーの既往や危険性がある場合は病院外でも本人や家族が注射(筋注)できるアドレナリン自己注射器エピペンの処方を受けることができます。(2011年より保険適応)

原因アレルゲン食品は?

アレルゲン食品の増加、多様化がみられている。本邦における即時型アナフィラキシーの原因となるアレルゲンについては、牛乳・乳製品、卵、小麦、ピーナッツ、ソバ、魚介類、フルーツの順に多く、過敏な例では食品中の微量のアレルゲン混入でも誘発される場合があります。厚生労働省班研究によるわが国の主なアレルゲン食品が報告されています。

多種食物アレルギー除去のレシピ

アレルゲン食品の表示義務とは?

加工食品ではアレルゲン食品利用されてもわかりにくいため、わが国では省令によりアナフィラキシー誘発しやすい食品7種類(卵、乳、小麦、ソバ、えび、かに、ピーナッツ)の表示が義務化されています。その他20食品の表示奨励(通知)が施行され、食品中の微量アレルゲン測定キットが開発されています。

特殊な食物アレルギーとは?

1. 食物依存性運動誘発アナフィラキシー

食物アレルギーが運動をした後に誘発されるもので、10歳以上の学童、成人でみられます。アレルゲン食品は小麦が最も多く、ついでエビなどの甲殻類です。野菜、果実で起こることもあります。入院して誘発試験を行い診断しますが、原因食物を摂取して運動するのみでは誘発率が低いのが問題となっていました。当院ではアスピリン内服を追加することにより誘発率を高めて診断を行っています。

2. 口腔アレルギー症候群

フルーツ(キウイ、メロン、バナナ、リンゴなど)を口にした時に、口唇がはれたり、喉がイガイガして息苦しくなるもので、まれに喘息やショックになることもあります。ラテックス(ゴム)アレルギーや花粉症の合併が多い特徴があります。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関連は?

食物アレルギーを合併した乳児のアトピー性皮膚炎では、アレルゲン食品の除去により皮膚炎が改善することがあります。食物アレルゲンの関与の程度は個人差があります。アレルゲン検査を受けて除去が必要か医師の指導をうけましょう。食物摂取後1日2日で皮膚が悪化する場合は、アレルゲン検査陰性でも食物パッチテストで確認できます。

以上のような食物アレルギーが疑われる場合、当院小児科では、以下のように食物アレルギー診断のための検査と治療指導を行っています。

1. 採血による食物アレルゲン抗体検査CAP法

乳児は生後3~4ヵ月以降から

2. 皮膚テスト

プリックテスト(即時型15分後判定)抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を中止して行います。パッチテスト(遅延型3日後判定)2日間テープで覆いアレルゲンと接触させます。

3. 食物経口負荷試験*

オープン法(食品そのもので負荷します)
盲検法(アレルゲン食品がわからないようにして負荷します)

*負荷試験はすべて予約です。主治医による負荷手続きが必要です。
入院負荷(1日または日帰り)が原則ですが、外来負荷も可能です。

食物によるアレルギーが疑われる場合、原因アレルゲン食品の検査を行います。血液検査でアレルゲン抗体(RAST)の確認、食物アレルゲンエキスを用いた皮膚テストを行います。

しかし、これらのアレルゲンの陽性食品がすべてアレルギーをおこすとは限りません。感作=誘発ではないため、確実な診断には、アレルゲン食品による経口負荷試験が必要です。

食物摂取状況とこれらの検査から、アレルゲン食品の確認を行い除去食品の指導と栄養士による栄養指導を行っています。

乳幼児アトピー性皮膚炎では、食物アレルギーとくに多種食物アレルゲン陽性を示しやすく、栄養に注意した適切な除去食指導が必要です。乳幼児期の食物アレルギーでは年齢とともに耐性化が見られることが多く、アレルゲン食品の解除のための負荷試験もおこなっています。


食物アレルギーの治療について

  • 1)内服療法(抗アレルギー薬など)、アトピー性皮膚炎合併の場合は外用療法
  • 2)除去食療法(アレルゲンの確定した食品別に細かく指導します)
  • 3)栄養士による個別栄養指導(除去代替食品の紹介とレセピー紹介)
  • 4)食物アレルギー教室
    医師によるアレルギー講義と栄養士による除去食メニュー紹介、試食会年1回は料理実習あり会費制で4-5月に募集(途中からの入会も可)

  • 5)入園、入学前、進級前の食物アレルギー診断書、意見書作成

外来受診について

小児は小児科を、成人はアレルギー科を受診してください。