臨床検査科

当科のご案内

臨床検査科運営方針

  • 1.迅速かつ正確で診療に即した付加価値の高い検査情報を提供する
  • 2.診療支援に努め、患者に貢献できるチーム医療を目指す
  • 3.最新の検査技術と知識の向上に努め各検査部門での専門技師の育成を目指す
  • 4.臨床検査業務の効率よい運営と経費削減に努める
  • 5.働きやすく柔軟性を持った職場環境を創り他部門との円滑な連携を図る

以上の方針に基づき、業務を行っています。

精度保証施設の認定について

当施設は、臨床検査データが標準化され、精度が保障されているとされる『精度保証施設』の認定を2011年4月1日に受けました。

相談コーナーのご紹介

臨床検査は、疾患の早期発見、診断や経過観察等診療の手助けとなる重要な役割を担っています。

しかし、臨床検査項目は多岐に渡り、略字も多いため、一般の方に理解しにくい面があります。

当科は開かれた臨床検査科を目指しており、検査項目について分かりやすく説明する「相談コーナー」を開設しています。


検査内容

検査内容は大きく分けて、生体検査部門と検体検査部門に分かれます。

生理検査部門

生理検査は、患者に直接触れて行う検査です。ときに正確な情報を得るために苦痛を強いるようなこともあります。当院では呼吸器疾患の患者が多いため、呼吸機能検査に苦痛を感じられる方も多いと思います。しかし病態を反映した正確なデータが得られるよう、できる限り協力をしていただいています

1.心電図検査

脈のみだれ、胸の痛み、動悸、呼吸困難などの症状が出た場合、その診断あるいは経過観察のために行う検査です。

心電図検査

2.呼吸機能検査

CHESTAC-8900,33
CHESTAC-8900,33

肺の機能がどのレベルか調べる検査です。
肺の働きは大きく分けると
① 換気能力(空気を肺に出し入れする機能)
② 吸機能(酸素を肺から血液中に送りこみ、二酸化炭素を血液中から体外に運び出す機能)の2つがあります。
当院では慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などの患者が多く、肺活量検査を数多く行っています。

呼吸機能検査 呼吸機能検査 呼吸機能検査

3.超音波検査

超音波診断装置 Xario
超音波診断装置 Xario

心臓および肝臓、腎臓、膵臓などの各臓器の形態的異常や腫瘍などの他、血流異常などを調べる検査です。非侵襲的な検査で苦痛もなく安全に行えます。

通常、肝臓と腎臓は同じ輝度で描出されますが、肝臓に脂肪が沈着して脂肪肝になると、肝臓の輝度が上昇し、肝臓と腎臓との間に輝度の差を生じます。

超音波検査

4.脳波検査

てんかん、睡眠異常などの診断に大変重要な検査です。

5.睡眠時無呼吸検査(いびき検査)

睡眠時無呼吸検査

睡眠中のいびきや呼吸の有無を検査します。
当院では、2003年に起こった山陽新幹線が緊急停止した事故で話題となった睡眠時無呼吸症候群などの睡眠呼吸障害を対象に、2009年2月睡眠センターが開設されました。睡眠時無呼吸の検査には主に、病院に泊まって検査する精密な睡眠ポリグラフと自宅でも検査出来る簡易検査があります。

睡眠ポリグラフ:睡眠と呼吸の両方が評価でき必要な情報すべてが得られますが病院に泊まる必要があります。(上図)
簡易検査:睡眠の評価は出来ませんが日常と同じ環境で検査することが可能です。

睡眠時無呼吸検査

当院では睡眠ポリグラフ検査後、翌日解析翌日説明を行い、治療が必要な患者に早期に対応できるよう努めています。

6.サーモグラフィー検査

サーモグラフィー検査

体表面の温度分布を測定し、それを色の分布として画像化したものです。皮膚温の異常、手足の温度分布の左右差などがわかります。

7.聴力検査

人間の聞く能力を検査するものです。検査は気道聴力および骨導聴力を測定します。加齢や騒音による聴力低下は、高音域からはじまり気付かないことが多く、気付いた時には進行し治りにくいと言われています。早期発見・治療が重要です。

8.鼻腔通気度検査

鼻腔の通気抵抗を測定し、鼻づまりの程度・病態を評価・診断します。

9.気道過敏性検査

気管支に一定の刺激を与え、過敏性があるか調べます。気管支喘息などの診断に役立ちます。


検体検査部門

検体検査とは、患者から得られた検体を用いて行う検査です。検体には、血液、尿、痰、組織などがあり、それらに含まれる成分や細胞、微生物などを自動分析装置や顕微鏡などを使って検査しています。

1.アレルギー検査

アレルギー検査

アレルギー疾患の原因物質であるアレルゲンに対する抗体価を68種類検査しています。

喘息、花粉症。アトピー性皮膚炎等の診断、治療に貢献しています。

当院ではアレルギー疾患をもつ患者が多く、アレルギー検査が充実しています。

アレルギー疾患で高値を示すIgE抗体の総量を測定したり、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンに対するIgE抗体価を測定しています。アレルゲンには、卵白、牛乳、小麦などの食物系アレルゲンとハウスダスト、ダニ、スギ等の吸入系アレルゲンがあり、当院では75種類のアレルゲンに対する特異的IgE抗体価を測定し、アレルギー疾患の診断と治療に貢献しています。

アレルギー検査アレルギー検査

2.生化学検査

生化学検査

患者から採取した血液や尿などを用い、その中に含まれる成分を自動分析装置で測定します。肝機能・腎機能などの内臓の疾患や、糖尿病・高脂血症などの生活習慣病などの診断に役立ちます。検査データを迅速に臨床側に報告し、充実した医療が提供できるよう貢献しています。

3.血液検査

血液検査

血球計数機(左図)は血液中の有形成分である白血球・赤血球・血小板数などの数量および形態を算定・観察するものです。また、血液中の細胞を顕微鏡で観察し、貧血や感染症、白血病などの診断に役立つ情報を臨床側に提供しています。

採血して得られた血液を染色(細胞に色をつけて見やすく)し、顕微鏡で観察します。下写真は白血病細胞です。

血液検査

4.凝固検査

凝固検査

出血傾向がある患者の止血機能を調べたり、血栓予防の治療をしている患者の薬の効果を調べる検査です。

5.尿検査

尿検査

尿の性状および蛋白、糖、潜血などの成分を自動分析装置で測定し、尿路・腎疾患などの情報を臨床側に提供しています。また、尿中の赤血球、白血球、上皮細胞、細菌などを顕微鏡で観察し、腎臓や膀胱の炎症の程度を調べます。

尿を遠心機にかけ、そこで得られた沈渣を顕微鏡で観察します。右写真は尿沈渣中に見られた白血球と言う細胞です。炎症などが起こることで見られます。

尿検査

6. 便検査

糞便中の血液の有無を検査し、消化管からの出血有無を推定します。また寄生虫卵の有無を顕微鏡で観察します。

7.血液ガス検査

血液ガス検査

血液中のPH、酸素分圧、炭酸ガス分圧などを測定し、呼吸機能状態を調べます。

8.輸血検査

安全に輸血を行う上で重要な検査である血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験などを行っています。

9.細菌検査

細菌検査

喀痰、尿など細菌・ウイルス感染が疑われるあらゆるものを材料とし、原因となる細菌・ウイルスの検出を行っています。
当院では呼吸器科・小児科ともに上気道から肺にいたるまでの呼吸器感染症を疑うことが多く、主に提出される検体は喀痰と鼻腔ぬぐい液です。細菌検査は原因菌が判明するまでに2~3日を要する検査ですが、当院では鼻腔インフルエンザウイルス抗原・鼻汁RSウイルス抗原など、9項目の感染を迅速に調べることができます。これらの検査は約30分で結果がわかり、患者にその日の内に検査結果をお知らせすることができます。

血液寒天培地 アシネトバクター 緑膿菌 血液寒天培地(アシネトバクター 緑膿菌)

培地に菌を増殖させて、増殖した菌を染色(菌に色をつけて見やすく)し、顕微鏡で観察します。右の写真は、提出された喀痰を染色して顕微鏡で観察した写真です。右写真上段はアシネトバクターと言う菌です。丸が2つ連なった様な形をしています。

右写真下段は緑膿菌です。棒のような細い形をしています。

10.病理細胞診検査

病理検査では、病変部や組織の一部を採取し、良悪性を判定します。細胞診検査では喀痰や尿中に剥離した細胞を観察し、悪性細胞の有無、出現細胞の分類などをします。
また当院では肺がん検診を実施しており、喀痰細胞診検査により肺がんの早期発見に努めています。

病理細胞診検査 病理細胞診検査