耳鼻咽喉科

当科の特長

常勤医師による外来診察を行っています。一般的な耳、鼻、のどの診察のほか、特に花粉症やアレルギー性鼻炎に対して、当院アレルギー科、小児科と連携し、治療に取り組んでいます。

気管支喘息などの呼吸器疾患(下気道)と鼻・副鼻腔疾患(上気道)は関連していることが多く、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を良い状態にコントロールすることで、呼吸器疾患の改善にもつながります。患者さん一人一人に合う治療を一緒に考えながら行えるよう、わかりやすい説明を心がけています。

外来担当表

*赤字は予約外来です。

耳鼻咽喉科
外来受付:8:30~10:30
予約受付:13:00~15:00
区分
午前 押川 押川 押川 押川 押川  
午後     *宗
(月1回)
     

花粉症、アレルギー性鼻炎

当科では特に、花粉症やアレルギー性鼻炎に対して積極的に取り組んでいます。当院アレルギー科と連携した減感作療法や、主に難治な鼻づまりに効果のある鼻粘膜焼灼治療(アルゴンプラズマ療法)など、鼻炎症状に悩む方々の生活の質の向上を目指します。

検査

鼻内所見

鼻の中の鼻粘膜の状態を観察します。

鼻汁好酸球検査

鼻汁を綿棒で拭い取り、鼻汁中の好酸球の有無を調べます。症状がアレルギーによるものかどうかを調べる検査です。

血液検査

IgE検査・・・・・・・・・・・・・アレルギー体質を調べる検査

特異的IgE抗体検査・・・・アレルギー原因物質を調べるための検査

プリックテスト

アレルギー原因物質を調べるための皮膚検査です。


鼻腔通気度検査

鼻づまりの程度を評価します。

X線検査

症状によって、副鼻腔炎の有無を調べます。

治療

抗原から回避

検査で原因抗原が明らかな場合は、できる限り原因抗原を回避しましょう。

室内の清掃、ダニが繁殖しやすい布製のソファー、カーペット、畳はできるだけやめる、原因花粉から遠ざかる、ペットを飼育しないなど、原因によってできる限りの対応が望まれます。

薬物治療

内服薬や点鼻薬などによる治療です。内服薬にもいろいろなタイプの薬があり、その人に合った薬を服用するのが一番です。鼻症状への効き目や副作用の眠気などの症状は個人差が大きいですので、まずは試してみる必要があります。

花粉症の治療では、症状が出る1~2週間位前から症状を抑える薬(抗アレルギー薬)の服用を始めるのが最も効果的です。

しかし、花粉飛散量もその年によって異なり、また個人によりいつから症状が出るかの予測が難しいので、鼻や眼のかゆみやくしゃみが少しでも出たらすぐ治療するのが現実的にはベストです。

あらかじめ症状が出る前に受診し、薬を処方してもらっておくのがよい方法です。

鼻アルゴンプラズマ療法

内服治療や点鼻薬ではなかなか症状がよくならないような、治りにくい鼻症状(特に鼻づまり)の方にお勧めしています。薬の服用を望まない人や妊娠を希望する人にも勧められます。アレルギー反応の場である鼻の粘膜を物理的に減量し、アレルギー反応を抑制しようとするものです。

当院ではアルゴンプラズマ凝固装置を使用し、熱作用により鼻粘膜表面を一定の深度で蒸散させます。

治療直後は焼灼処置により鼻づまりや鼻水の症状が強くなりますが、数週間で次第に治まり、腫れがひいてきます。お子さんでも、じっと椅子に座っていることができれば問題なく行うことができます。

アレルギー性鼻炎と気管支喘息を合併したお子さんの中には、このアルゴンプラズマ療法での鼻治療後、気管支喘息のコントロールが良好になる場合もあり、当院ではお子さんにも積極的に行っております。花粉症にも有効で、花粉が飛散する前に行うことで、花粉症の症状を軽減することが期待できます。

鼻アルゴンプラズマ療法

方法

鼻内に麻酔ガーゼを入れる局所麻酔に30~40分、焼灼処置に5分程度を要します。(日帰り)

術後

数時間後、麻酔効果がきれると少しジンジンする等の痛みがでる場合があります。念のため鎮痛剤を処方しますので、必要性に応じて使用いただけます。数日は術前よりも鼻水、鼻づまり症状が悪化しますが、1週間くらいで次第に落ち着いてきます。
術後1週間は、強く鼻をかんだり、かさぶたを無理にはがしたりなど、鼻の中を触ると鼻血がでることがあり、注意が必要です。

効果

術後1ヶ月くらい経過すると、効果がある方ははっきり効果がでます。効果持続時間は個人差がありますが、だいたい半年~1年くらいの効果が期待できます。症状が元に戻った場合、再度同じ処置をくり返し行うことができます

抗原特異的免疫療法(減感作療法)

抗原特異的免疫療法とは

アレルギー性鼻炎、花粉症はアレルゲンと呼ばれる原因物質(ハウスダスト、ダニ、スギ花粉など)によって、引き起こされます。抗原特異的免疫療法とはアレルゲンの投与を繰り返し行うことにより、根本的な体質改善を期待する方法です。アレルギーの原因となっているアレルゲンのエキスの投与を少量から開始し、少しずつ量を増やしていき、アレルギーが起こらないように体を慣らしていく治療法です。

当院では、これまでハウスダスト(ダニ)、スギ花粉に対して、皮下注射(6歳以上)を行っていました。2014年10月からスギ花粉に対する舌下免疫療法(12歳以上)が、2016年1月からはダニに対する舌下免疫療法(12歳以上)が行えるようになりました。毎週火曜午後に舌下免疫療法外来を予約制で行っています。

舌下免疫療法について

スギ花粉症に対する舌下免疫療法薬「シダトレンスギ花粉舌下液」、ダニに対する通年性アレルギー性鼻炎に対しての舌下免疫療法薬「ミティキュアダニ舌下錠」があります。

これまでの飲み薬による治療は、アレルギー症状を抑える、いわゆる対症療法でしたが、この免疫療法では根本的な改善につながる可能性のある治療法となります。

治療効果がでてくるのは、およそ3ヶ月くらい続けてからであることが多く、即効性ではありません。効果のあらわれ方はアレルゲンの種類や病歴、症状等によって異なりますが、以下などの効果が見込めます。

  • ◦ 鼻炎の症状が軽くなる
  • ◦ 花粉症の症状の出始めが遅くなる
  • ◦ 抗アレルギー薬などの薬の使用量が減る、あるいは不要になる

皮下注射による免疫療法について

舌下免疫療法ではスギ花粉とダニの両方のアレルゲンの投与を同時期に行わないことになっています。皮下注射による免疫療法では、適応があれば両方同時進行で行うことができます。

適応は舌下免疫療法では12歳以上ですが、皮下注射による免疫療法では小学1年生以上で行っています。当科ではスギ花粉、ハウスダストに対して行っております。

感染作療法

皮下注射による免疫療法

副作用について

副作用にも注意が必要で、抗原注射後にアナフィラキシーショックをはじめとする高度な全身反応がまれに起こる可能性があります。

副作用の予防のため、注射前に抗アレルギー剤の内服を勧めています。また、注射後30分間は病院内で待機してもらい、安全性を確認しています。

その他、一般的な耳鼻咽喉科疾患

中耳炎、難聴(聞こえが悪い、耳がつまった感じ)、耳鳴り、めまい、副鼻腔炎、のどの炎症、声がかすれるなど、小さいお子さんから大人の方までの一般的な耳、鼻、のどの診察も行っております。

特に、1歳前後のお子さんのくり返す急性中耳炎に対しては、鼓膜チュービングによる治療を行っております。中耳炎による発熱や鼓膜切開をくり返している場合はご相談下さい。

プリックテスト

検査の目的

アレルギー反応は、特定のアレルゲン(抗原)により引き起こされるので、アレルゲンを特定することが治療の第一歩になります。アレルゲンを特定するには、皮膚テストであるプリックテストが有効な方法の1つです。いつアレルギーが始まったか、どのくらいの頻度で起きるのか、たとえば、ある特定の季節に起きるのか、特別な食物を食べた後に起きるのか、などが分かれば、アレルゲンを推定できます。

当院外来(アレルギー科、小児科、耳鼻咽喉科)での主な検査項目

1. 吸入性抗原

ハウスダスト、ダニ、カビ類(カンジダ、アスペルギルス、クラドスポリウム、アルナルテリア)スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ、オオアワガエリ、ハンノキ、アカマツ、クロマツ、マウンテンシーダー、イヌ毛、ネコ毛、ウサギ毛、絹、綿

2. 食物抗原

卵白、卵黄、牛乳、大豆、小麦、米、サケ、タラ、エビ、カニ、ブリ、イカ、カツオ、マグロ、アサリ、ヒラメ、サバ、イワシ、カレイ、キス、サンマ、アジ、カキ、ピーナッツ、アーモンド、コーン、ポテト、ソバ、トマト、リンゴ、シイタケ、タケノコ、ゴマ、ホーレンソウ、チョコレート、ココア、その他、

アレルギーが疑われる食品を持参いただき、プリックテストを行います。担当医師(成人:アレルギー科外来、小児:小児科外来)にご相談下さい。

検査の方法

Ⅰ型アレルギー反応(免疫グロブリン Ig のうちの1つである IgE を介して起こる即時型の反応)のアレルゲンを知ることができます。気管支喘息、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、花粉症、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、薬剤アレルギーなどの原因アレルゲンを調べたいときに行います。

出血や痛みもほとんどなく、ごく少量のアレルゲン量で行うことができますので、皮内へアレルゲンを注射する皮内テストよりも安全で、一般的に広く行われている検査です。また、この検査は血液検査によるアレルゲンチェックよりも安価で、その場ですぐに結果が出るというメリットがあります。

まず前腕の皮膚に細い針で、浅く傷をつけます(プリック)。そこに草木の花粉、カビの胞子、ほこり、動物のフケ、食物などの抽出物から作られたアレルゲンエキスを1滴ずつ落とします。15~20分後、これらの物質に対してアレルギーがあれば、プリック部は赤味を帯びて中央が盛り上がり(膨疹)、かゆみがでてきます。膨疹が5mm以上、その周囲の明らかに赤くなっている部分(紅斑)が10mm以上なら陽性と判定します。

テストの前には抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬は飲んではいけません。テストでの反応を抑えてしまう場合があるからです。また、実際にアレルギーがあってもテストで陰性である場合(偽陰性)や、逆にアレルギーがないのにテストで陽性にでる場合(偽陽性)もあるため、症状と不一致である場合は、特異IgE抗体の測定(血液検査によるアレルゲンチェック)などの他の検査結果と合わせて、総合的な判断が必要になります。

担当医一覧

押川 千恵

oshikawa chie

耳鼻咽喉科医師

耳鼻咽喉科 (1997年卒)

日本耳鼻咽喉科学会専門医  日本アレルギー学会専門医

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